院内掲示

院内で掲示しているご案内などをご紹介いたします。

関節リウマチ・膠原病を発症、あるいは心配されて受診をされる患者様へ



 開院してほぼ5年間が過ぎ、関節リウマチ・膠原病をすでに発症されている患者様、それらの病気を心配されている患者様に多数受診していただいております。
 すでに診断されている患者様の多くは、住所が当院に近く通うのに便利なため、糖尿病や高血圧、甲状腺の病気など他の内科疾患を持たれ同時に診療を希望されてお出でになられます。時には大病院での待ち時間が長いため、待たないでも診療を受けられる(?)ことを期待して来られる方もいるように思います。当院では、それぞれの患者様の希望に沿うよう、対応をしてまいります。お願いとしては、できるだけ前の主治医からの紹介状を持ってきていただきたいです。身体所見、検査データを取らせていただきますと、患者さんがご自身で理解し語られる病状とは異なることが大変に多いです。リウマチも含め膠原病は、発症時の診断とその根拠や治療歴がとても大切で、紹介状がありますと効率よく現状を把握することができます。お薬手帳と一緒に、できれば紹介状もお願いいたします。
 関節リウマチ・膠原病を心配されて当院を受診される方は、最近の手指や手首・肘・肩・膝や足首・足趾関節の痛みや腫れ・しびれ、朝の手指のこわばり等を心配されて受診される方が大部分です。関節が痛ければリウマチ・膠原病かといえばそんなことはなく、変形性関節症や頚椎症などの整形外科的な疾患の方も多いです(ただし両者の合併はあり得ます)。当院では、現在の関節痛, 関節炎が関節リウマチからのものかどうかを先ずお教えできるように、問診、身体所見、レントゲン、採血検査、場合によっては関節エコー, MRI検査をしております。膠原病に関しましては、診察や検査データの中に臓器病変や免疫異常がないか、最初は基本的な部分のみを検査に入れさせていただいています。結果を見て、さらに詳細な検査が必要でしたら、追加の検査をさせて頂きます。膠原病と言われる疾患は20以上あり、多くの特殊なマーカーが知られておりますが、検査料の高いものが多く必要最低限を心がけて検査をしております。
 疾患によりましては当院で対応しきれないものもございます、この場合は患者さんに説明・相談をし、宝塚市立病院を始め、適切な病院へ紹介させていただいております。

糖尿病の3大合併症の共通点とは



 糖尿病といえば血糖が高くなってしまう病気なのですが、大げさに言えば、人間は血糖が多少高いだけでは(500mg/dLを超えるほど高い場合は別です)たいして困りません。糖尿病は血糖よりも、その合併症が厄介なので結局血糖をコントロールしましょうと言っているのです。

3大合併症とは、以下のものを指します。
 神経症:
 手足がじんじんびりびり痺れたり、温度の知覚が悪くなったり、自律神経障害のため便秘になったりする
 網膜症:
 眼の網膜出血のため、突然視力をなくす
 腎症 :
 腎臓の血液をろ過して老廃物を尿として捨てる機能が低下する
 日本の透析患者さんの原因疾患の第一位は糖尿病です

 これらの合併症は一見何の関連もないように見えますが、はっきりした共通点があります。それはどの組織でも毛細血管のように細い動脈が重要な役割を持っていることです。神経では、その繊維が長いものの末端を栄養している動脈が非常に細く、眼の網膜もそこに来ている動脈は非常に細いものです。

腎臓に至っては、腎臓に入った動脈(腎動脈:これは太い)はどんどん枝分かれをし、最後に毛細血管ほどの太さの動脈が糸玉のような組織(糸球体)を多数(100万個)鈴なりに作り、そこで血液をろ過し原尿を生成しています。

血糖が高いと、これ等ごく細い動脈に動脈硬化を起こしやすくなり、神経には栄養がいきわたらなくなって機能障害を起こし、網膜では出血をしてそれがものを見る焦点となる黄斑にかかってしまうと視力低下を起こし、腎臓に至っては、血液をろ過することができなくなり腎機能低下を引き起こします。

 動脈硬化ですので一度なってしまうと元に戻すのが難しく、しかもなってしまうまで何の痛みも不便も感じません。糖尿病治療を納得して受け入れていただく難しさです。

しかし微小な血管に起った動脈硬化は、やがて大血管にも起こっていくことは想像していただけると思います。狭心症や心筋梗塞、脳梗塞のリスクといわれる所以です。

糖尿病の治療方針が変わってきています



 数年前まで、糖尿病といえば合併症(神経症、網膜症、腎症)を進行させないため、とにかく血糖コントロールをよくしましょうと言われてきました。しかし大規模な臨床試験での結果を見てみると、血糖を低くコントロールしただけでは患者さんの健康寿命は予想のように延びないことが分かりました。上記3大合併症の先にある心血管イベント(狭心症、心筋梗塞、脳梗塞)の発症が統計的に有意なほど抑制されなかったといいます。

結果を受けてさらに研究が進められ、現在の見解としては、糖尿病と診断された方は、血糖コントロールばかりでなく血圧、コレステロールも年齢や基礎疾患に合わせて通常の方よりより厳しく管理し、なおかつウォーキング等の有酸素運動を継続的に行うと上記健康寿命は延ばせる、とされています。この考えに沿った小規模な臨床試験が幾つかの施設から報告され、確かに心血管イベントは減るとのことです。

 当院にも糖尿病の患者様は多数いらっしゃいます。こんなことを聞かされるとやれやれと思うかもしれません。しかし考えてみますと、以前からあちこちでたくさん言われている生活習慣病の対策を、糖尿病と言われたら真剣に考えてくださいよ、といっているだけですよね。血糖コントロールにしろ、血圧・コレステロールのコントロールにしろ、今は使いやすい薬が多数出ております。暴飲暴食や、間食を食べすぎないといった基本的生活習慣の改善は必須ですが、足りない分は薬を使ってコントロールしていけば決して越えがたいハードルではないと思います。糖尿病は、治すというよりも付き合っていく、いわば体質のようなものですので、医療機関とうまく連携して健康維持を図って下さい。

 当院としては上記の流れに沿い、糖尿病の患者様のコレステロールと血圧のモニターは、それらの薬を飲まれているいないにかかわらず積極的にしていく方針です。

加藤先生の漢方の診療について

他所で受けた健康診断・検診の結果をお持ちください。



当院は皆様のかかりつけ医を目指しています。
このため、今診ている病気ばかりでなく、患者様一人一人の健康状態の把握もできるだけ行うように努力しています。

健康診断や各種検診(特定健診、人間ドック、肺がん検診、大腸がん検診、ABC検診、前立せんがん検診、肝炎ウイルス検診 等)は、手軽にできる疾病の早期発見ツールです。

受診券をお持ちの方、疾病の気になる方は積極的に受けることをお勧めします。

 また他所で受けた健診・検診の結果も、どうぞ持って来て見せてください。一緒に読みましょう。
 分からない結果、気になる結果がありましたら遠慮なく質問ください。

 検査の結果によっては、さらに精査が必要な場合がございます。当院でできることであれば対応いたします。
 当院での対応困難な場合には、適切な施設・専門医へ紹介させていただきます。

 なみき内科  加藤 由紀子 並木 充夫

漢方薬の適切な服用期間と副作用の確認について



 漢方薬は長く服用し続けなければ効果が出ない、と思い込んでいらっしゃいませんか?効果を全く感じないのに同じ漢方薬を数カ月以上服用している方はいらっしゃいませんか?
 漢方薬は、服用後すぐに効果が出るものから、効果を感じるまでにある程度の日数を要するものまで様々です。ただし、効果のある漢方薬の場合には、数週間以内に何らかの変化を感じることが多いと言われています。従って、数週間で全く何の変化も見られない場合は、漢方薬の種類や量などの調整が必要となってきます。
 漢方薬も副作用はゼロではありませんので、必要な時に必要な量だけ服用することが重要となってきます。もし、市販の漢方薬を継続して服用していても効果が出ない、と感じていらっしゃる方がいらっしゃいましたら、是非一度ご相談ください。

 また、効果を感じて継続服用されている方につきましても、副作用出現の有無について確認するため、血液検査などを定期的に受けることが重要です。服用している漢方薬の種類によっては、健診で行う血液検査項目以外の項目についても確認を要することがあります。市販の漢方薬を継続服用されている方、他院で漢方を処方されているけれども副作用出現の有無を確認されていない方、是非一度ご相談ください。

紹介状について



 患者様を 宝塚市立病院等の施設のある病院や他の専門性の高いクリニックに紹介する場合に、紹介状を書かせていただきます。また大病院を受診する場合には、紹介状の持参を求められる場合も多いです。この紹介状の意味はなんなのでしょうか。
 基本的に紹介状は、医師から医師への情報提供、診療の依頼書です。つまり患者様の医学的基本情報(既往歴や内服の情報、当院での診療状況等)と受診の目的を明確に伝え、診療の連携が効率的に行われるようにしております。医師にとって初診の患者様を理解し病状を把握することは、手間と時間がかかります。患者様にとっても、初対面の医師に、ご自分の病状を短い時間で的確に伝えることは大変難しい作業です。ここにかかりつけ医の紹介状があると互いに便利という訳です。
  実は紹介状には、もう一つの大切な意味があります。かかりつけ医から紹介状をもらった医師は、患者様の診療の結果をかかりつけ医に返書してくれています。つまり、かかりつけ医に患者様の診療情報を集める手段にもなっております。こうしてかかりつけ医は、患者様の診療にかかわる情報を把握・整理しながら、普段の診療を行っているんです。
  紹介状を書いてもらうと、何やら料金が発生してなんのことだかよく分からない、と思う患者様は多いかと思います。実は診療にとても大切な情報のやり取りを医師間で行う手段なんです。すいませんがそのための手間賃は下さいね。

漢方薬の飲み方の工夫



 漢方薬はどのように服用されていますか?
 漢方薬は、本来、白湯に溶いて服用するのが理想的ですが、味の問題で漢方を敬遠されている方もたくさんいらっしゃいます。
 漢方を処方されたけれども飲みにくいと感じる方は以下の方法をためしてみてください。

@ 錠剤やカプセル錠がある漢方薬もありますので、診察時にご相談ください。

A 漢方薬の粉を口に含んでから水を飲むと粉の味が広がりますが、口に水を含んでから粉を口に入れてごっくんすると、味が口の中に広がりません。

B オブラートに包んで服用する場合、オブラートが破れて、結局苦味が口に広がることがあります。オブラートにくるみ、それを一度水に浸してから服用すると、オブラートがやぶれることなく、ツルっと飲み込むことができます。

C お子さんの場合は、ココアやジュース、アイスクリームなどを利用する方法があります。漢方薬の服用の仕方でお困りの方は、一度お気軽にご相談ください。

なみき内科内科・リウマチ科・糖尿病内科

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